

DIP でも SOP でも、2列の IC パッケージは型番の印字に対して左下が1ピンと説明されることが多いです。たとえば CQ 出版の TTL IC 規格表を引用すると、
ICは通常名称が読める向きに置いて、手前の左端のピンが1番ピンで、…
とあります。これだけでは厳密にいえば完全ではありません。1ピンの位置は印字ではなく、パッケージのノッチ(切り欠き)や方向指示用の穴などによって決められます。しかるに同じ TTL IC 規格表では、つづけて
IC名称の印字だけではあてにならないので、通常図2のように1番ピンの側になんらかのマークが付いています…
とあります。これはまさにその通りで、実際昔の IC は 100 個に1個くらい逆向きのマーキングが混ざっていたりします。
なぜ印字が基準とされるか?

型番の印字が基準に説明される理由として、日本固有の事情があると思います。つまり、松下と富士通は 1980 年代まで、1ピンのそばではなく 14,16ピンの側に方向指示のマークを置いていました。したがって、網羅的な説明としては印字を基準にした方がシンプルになるはずです。

(松下: 左上にマーク)

(富士通: 左上にマーク)
古い IC は右上が1ピン?
ところで 1970 年前後の古い IC をみると、印字に対して右上に 1 ピン指示があるものが多くあります。メーカでいうと Sylvania, Sprague あたりがこれにあたります。

(Sylvania)

(Sprague)
この理由は別に印字を間違えたわけではなく、パッケージ図の段階で右上が 1 ピンで書かれているためです。これ以外に、日本向け IC ではほとんどないですが、メーカや地域によっては印字の向きに頓着しないところもあります。昔のディストリビュータによるリマーク品などは印字向きがいい加減なものもありました。

(Sylvania 社資料より)
参考
1987年版 最新TTL IC規格表
電子科学1968/11