
(太陽誘電(1)(2) / 村田製作所(3): 昔のセラコン)
昔のディスクセラミックコンデンサは定格がカラーコードで表記されているものがあり、はじめて見ると面食らってしまいます。現在のセラミックコンデンサは “102” のような数字で書かれていますが、1960 年代まではしばしばカラーコード表記のものも使われていました。セラミックコンデンサの場合カラーコードの数が多いので、読み方を知らないと静電容量がわかりません。
カラーコードは JIS-C-5130 に規定されているので、実物と照らし合わせて読んでみます。
平型セラコンの場合
冒頭写真に示した 3 つのコンデンサは当時の典型的なセラミックコンデンサです。(1)(2) は現在でも見かける丸型、(3) は絶滅して久しい角形の単板セラミックコンデンサです。(1)(2) は 7 つのカラーコード、(3) は5 つのカラーコードが示されています。

JIS-C-5130-1979 によると、平型コンデンサの色表示は上図のようになっています。しかしながら、写真で示すコンデンサのカラーコードの数と比較すると、左図 8つ、右図 9 つで数が合いません。

JIS-C-5130 以前の JIS では、上図のようになっていたようです。
カラーコード表
| 色 | 記号 | 温度係数[ppm/degC] | 定格電圧 乗数 | 定格電圧 基本数 | 静電容量 許容差 | 定格電圧 (旧JIS) | 等級 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 黒 | C | 0 | 1 | 1.0 | ±2pF/<br>±20% | X | |
| 茶 | H | -30 | 10 | 1.25 | ±1% | ||
| 赤 | L | -80 | 100 | 1.6 | ±2% | 250V | Z |
| 橙 | P | -150 | 1000 | 2.0 | |||
| 黄 | R | -220 | 10000 | 2.5 | |||
| 緑 | S | -330 | 3.15 | ±0.5pF/<br>±5% | 500V | ||
| 青 | T | -470 | 4.0 | +100/0% | |||
| 紫 | U | -750 | 5.0 | ||||
| 灰 | B | +30 | 6.3 | ±0.25pF/<br>+80/-20% | Y | ||
| 白 | SL | +350/-1000 | 8.0 | ±1pF/<br>±10% | |||
| 金 | A | +100 | |||||
| 銀 | 種類II | N/A | |||||
| 赤・橙 | V | -1000 | |||||
| 橙・橙 | W | -1500 | |||||
| 黄・橙 | X | -2200 | |||||
| 緑・橙 | Y | -3300 | |||||
| 青・橙 | Z | -4700 | |||||
| 白・橙 | YN | -800/-5800 |
実際の読み方
太陽誘電の (1)(2)は、定格電圧以外旧 JIS として読めます。基本的には、大きい帯が温度係数、残りは容量と誤差、場合によって定格電圧となります。
コンデンサ(1)
紫:温度係数(-750ppm)、白・茶色・黒:91pF、緑:許容誤差(5%)、赤:定格電圧(500V?)
下部の黒:等級X (-55/+85℃)
温度係数と許容誤差から、温度補償 (TC) コンデンサとわかります。当時の太陽誘電は標準品として定格 50V, 500V のコンデンサを製造していました。1964年のカタログを参照すると、WV 500V の品種と寸法が一致します。


コンデンサ(2)
白:温度係数(+350/-1000ppm)、赤・赤・赤:2200pF、青:許容誤差(+100/0%)、茶:定格電圧(500V?)
下部の灰色:等級Y (-30/+85℃)
温度係数と許容誤差から、高誘電率 (Hi-K) コンデンサとわかります。カタログを参照すると、WV 500V のものが実際の寸法と一致します。ただし、コンデンサ(1) の赤色表示と異なることが気になります。実際のところはコンデンサ仕様書を見ないと何とも言えません。

(3) 色帯5つの場合 (村田製作所)

1970年の村田製作所のカタログによると、上のようなカラーコード表記をしていたようです。
これは黒:温度係数 0ppm、赤・赤・黒:22pF、緑:誤差±5% ということになります。
円筒型セラコンの場合


(村田製作所(4)(5)/太陽誘電(6): 昔の円筒型セラコン)
陶器の筒に電極をつけた円筒型セラコンは、低背にできるのでかつてはそれなりに使われていました。今では見かけない形です。(4)(5) は 6 つのカラーコード、(6) は 7 つのカラーコードが示されています。

JIS-C-5130-1979 によると、円筒型コンデンサの色表示は上図のようになっています。しかしながら、写真で示すコンデンサのカラーコードの数と比較すると、左図 8つ、右図 9 つで数が合いません。

JIS-C-5130 以前の JIS では、上図のようになっていたようです。しかるに (6) の太陽誘電は以下のように読みます。
黒:温度係数(0ppm)、茶・灰・黒:18pF、赤:誤差(2%)、赤:定格電圧(500V?)
下部の灰色:等級Y (-30/+85℃)
村田製作所は定格電圧表示を省略していたので、(4)(5) は以下のように読みます。
灰:温度係数(SL=+350/-1000ppm)、橙・橙・黒:33pF、緑:誤差(5%)
黒:温度係数(0ppm)、茶・黒・黒:10pF、黒:誤差(±2pF)
下部の灰色:等級Y (-30/+85℃)
アキシャルリードセラコンの場合


もう少し時代が下って 1980 年代になると、抵抗器のような見た目の小型アキシャルリードセラミックコンデンサが登場します。それらは数字を印刷するスペースがないので、3-5桁のカラーコードを使用していました。それは別の機会に。