私は普段デスクトップ PC を使っていますが、有線イヤホン派なので PC のΦ3.5mm ジャックからイヤホン配線を出しています。しかし、PC 本体からイヤホン配線を出すと取り回しがなかなか煩わしいので、PCデスクの手元から出ていると便利です。
また、最近は Type-C 接続のイヤホンも併用しているので、Type-C コネクタも手元にほしいです。そういったイヤホンは本来スマートフォン向けなので、PC 本体からケーブルを伸ばすには長さに難があります。
そこで、PC デスク側にこれらのイヤホンコネクタを組み付けることにします。
また、私の環境では、2台の PC を KVM スイッチで切り替えて使用しています。KVM 付属の操作スイッチも不満があるので、この際一緒にデスク側に取り付けることにします。
機能
- 3.5mm ジャック
- micro-B コネクタ (PC Host 接続)
- Type-C コネクタ (USB Device 接続)
- 電源アクティブフィルタ
- ついでに Type-C コネクタの電源制御
- KVM スイッチャの操作ができるスイッチ
接続構成

接続構成はこんな感じです。KVM スイッチは ELECOM の安物を使っていますが、スイッチ部を分解して端子からケーブルを引き出しました。
回路図

USB 部分は上図のような回路としました。PC 側 +5V はノイズが大きいので、LDO (NJM11100F1) をアクティブフィルタ的に使ってノイズを減少させます。PC 側は 5V 以上が出ていることが前提となります。
Type-C コネクタは Host only の場合、Type-B からの変換が可能です。CC ピンのどちらか一方に 56kΩのプルアップ抵抗を外付けします。ここでは Type-C ブレークアウト基板を使いましたが、使用した基板には 5.1kΩプルダウンが実装されていたので、それらを取り外した上でプルアップ抵抗を実装します。
Type-C イヤホンは使わないとき電源を切りたいので、LDO の CTL 入力を使って ON/OFF 制御できるようにします。
IC 1 つで波形整形とトグル回路を組む

USB 電源は、プッシュスイッチを押すたびに ON/OFF が切り替わるようにします。このブログに乗せる以上、古い部品を使わなければいけないので、CMOS の 4013B を使って シュミットトリガ + T-FF を組むことにします。
メカニカル SW はチャタリングで ON/OFF を繰り返すので、CR フィルタとシュミットトリガによる波形整形が必要です。
4013B や 74HC74 などの IC は CLK ピンのスルーレート制限があるので、CR フィルタ直後のスルーレートの低い(なまった)信号を入れると、T-FF として動作しません。メーカによっては動くものもあるかもしれませんが、少なくとも使用した 1976 年製の MC14013BCP では、波形整形を行う必要がありました。
そういうわけで、たとえば 4584B + 4013B のような構成を取るのが普通ですが、ゲートが余るので面白くありません。ここでは、4013B IC 1つで波形整形とトグル回路を作ります。
どうやるかというと、4013B は入力 S=R=1 のとき Q=/Q=1 となるので、S 端子 -> Q 端子をバッファとして使うことができます。これにより、Q->S に正帰還をかけることで、シュミットトリガ回路を作ることができます。(古い TC4013BP は S=R=1 のロジックが異なるので注意)
スイッチには照光スイッチを使って、ON/OFF 状態がわかるようにします。旧フジソクの LTR2 というスイッチを使いましたが、黄色のスイッチキャップがディスコンになってしまい、ちょっと困っています。
実測波形

CH1: U1.8 ピン波形
CH2: U1.13 = U1.3 ピン波形
CH3: U1.2 ピン波形
組み上げ

適当に作った 3D プリンタ製の骨組みに各コネクタと基板を取り付けます。左のスイッチは MULON の PH-M2 というものです。

写真のように机の下側に固定して使います。