7セグデコーダ(2) 沖電気 MSM561 BCD to 7-Segment Decoder/Driver/Latch
MSM561RS



沖電気 MSM500 シリーズは 1970 年ごろに開発された独自の CMOS IC ファミリで、3-7V 電源で動作します。このシリーズは電源ピンの +/- が一般的なものと逆で、180 度反対にソケットに刺すと他社の IC とコンパチになるという、独特なものでした。セカンドソースはありません。
MSM561 は BCD – 7 セグメントデコーダ IC で、NPN 出力段によりコモンカソード LED を駆動することが可能です。4511B にあるラッチは備わっていません。しばしば、桁駆動には専用のトランジスタアレー (MSL966RS) と合わせて使われていました。
MSM500 シリーズは徐々にディスコンになりますが、この MSM561 は代替品が無く、最後まで製造された IC の一つでした。フォントが日本人好みなので人気があります。
MSM561 のピン配置と機能

1,2,4,8: BCD 入力
a,b,c,d,e,f,g セグメント出力
4511B と異なり NPN のエミッタフォロワ出力。抵抗を介してコモンカソード LED と接続します。
LOAD: ロード
H 入力で BCD 入力をデコード、L 入力でデータをホールド。
RBI: リプルブランク入力
L 入力かつ 1,2,4,8 が “LLLL” のとき全セグメントを消灯します。
上位桁の /RBO 出力と接続することでゼロサプレスとなります。この場合、最上位桁は L 接続とします。
BI/RBO: ブランク入力/リプルブランク出力
RBI 機能によりセグメントが消灯しているとき、L を出力します。下位桁の RBI と接続することでゼロサプレスとなります。BI/RBO は内部でブランク制御信号と接続されています。外部から L に引っ張ることで表示を消灯させることができます。
BI/RBO 端子は通常の CMOS 出力ではなく、内部プルアップとなっているので、外部からオープンコレクタやオープンドレインでドライブすることで、明るさ変調することができます。設計思想が CMOS らしくありませんが、LED ドライバなので消費電力は気にしないということでしょう。
MSM561 の応用回路

LOAD 端子を使うとバス接続が可能です。MSM561 はディスコンなので、多数の MSM561 をスタティック駆動で使うことはぜいたくといえます。
MSM561 のフォント


日本で設計された IC らしく、6,7,9 は鍵付きです。データシートには、「10以上の出力は不定です。」と書かれています。これは、製造時期によりデコードが異なることが示唆されます。
動画に示したものは 1988 年製造の MSM561RS ですが、A,B はそれぞれ 2,3 がデコードされます。C-F はブランクです。
参考
- ’88沖半導体集積回路データブック 標準ロジックIC